公益財団法人 イオンワンパーセントクラブ

イオン エコワングランプリ

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過去の受賞活動

全国から選ばれたこれまでの受賞校をご紹介。
エコ活動のヒントが見つかるかも!?

第9回(2020年度)グランプリ校の取り組み

内閣総理大臣賞

普及・啓発部門

山陽学園高等学校[岡山県]地歴部

私たちの瀬戸内海ブルーオーシャンプロジェクト

  • 活動内容
    背景
    地元である瀬戸内海の海洋ごみ問題に目を向け、地域の人に「自分事」化してもらおうと考え活動を始めました。特に海底ごみや島しょ部の漂着ごみは、生活圏から離れた場所にあり地域の人の認知度が極めて低いため、その回収・啓発に取り組みました。
    取り組み
    漁業関係者の方の協力のもと漁船で海底ごみを引き上げるだけでなく、ごみの地理情報の分析、子ども向け回収体験やその撮影を通じた海底ごみの「見える化」などまで実施しています。さらに、この問題を他人事と考えている人に商品がごみに変わる過程を意識してもらうため、商業施設に海底ごみを展示したほか、海洋ごみの起源である生活圏において、岡山県に多い用水路でのごみの調査を行っています。
    結果
    ごみ発生抑制の啓発活動では、回収現場からの情報発信や、出前授業、自治体や商業施設の協力を得て回収ごみの展示会を行うなど、海洋ごみ問題を「自分事」化してもらう活動が拡がっています。また、用水路のごみ調査でごみマップを作成したところ、地域の人が自らごみ回収を行うなどの成果が生まれています。
    質疑応答
    Q
    活動を通し、企業や行政の反応で手応えを実感していることは?
    A
    SDGsに取り組んでいこうとしている銀行の方から、僕たちの海洋ゴミ問題に対するさまざまな活動の経験が、自分たちが取り組むうえで役に立つと感謝していただきました。
    Q
    活動は13年も続いていると聞きました。新しいアイデアなどはありますか?
    A
    これまで、啓発活動を通して海洋ごみ問題を「自分事」化してもらえるよう取り組んできました。これからは、回収したペットボトルを再加工し、資源として利用できるようなプロジェクトもやっていきたいと思っています。
    審査講評

    海洋ごみを商業施設に展示し身近な問題として意識してもらう活動は、高校生らしい視点のとてもよいアイデアでした。皆さんが海洋ごみを自分たちで回収するだけでなく、この問題が日常生活に密着していることを知ってもらうため、地域で地道に努力していることに感動しました。

  • 左から
    竹尾 美生さん(2年)
    竹岡 海晴さん(1年)発表者
    川西 天佑さん(1年)発表者
    林 李子さん(2年)

内閣総理大臣賞+ベストプレゼンテーション賞

研究・専門部門

宮城県農業高等学校 環境保全部

守れ閖上の砂浜! ZEROマイプラによる食料生産と豊かな海作り

  • 活動内容
    背景
    地元閖上の砂浜のごみ拾いで5ミリ程度の丸い透明の物体をたくさん見つけ、それが水田で使う肥料をゆっくり溶け出すようにするプラスチックだと知りました。この肥料は追肥の重労働を軽減しますが、海洋の生態系に影響を及ぼす可能性があると考え、水田と海洋の両方の課題解決に向け研究を始めました。
    取り組み
    肥料をゆっくり溶け出すようにするには、プラスチックでコーティングしなくても、溶けるのが遅い肥料「ウレアホルム」で代用できるのではないかと、逆転の発想で仮説を立てました。地元企業の協力を得て「ウレアホルム」を含む水田用の肥料を作ってもらい、コスモスの生育調査、水稲の生育調査、10種類のお米での収量調査など実証実験を重ねました。
    結果
    実証実験の数値から、ウレアホルムを含む肥料は長期間効果があり、コーティング肥料の代わりに使用可能なことがわかりました。活動は地元のメディアでも取り上げられています。この問題は、農業高校の先生も農家の方も知りませんでした。だからこそ、この問題を知った自分たちが全国に広めていきたいと思っています。
    質疑応答
    Q
    素晴らしい研究ですが、実際に商品化するときにコストは高くなりませんか?
    A
    現在のプラスチックを使った肥料より安くなります。それは、プラスチック加工の費用がなくなるからで、よりコストを抑えながら、使いやすくて環境にやさしい肥料を作ることが可能と考えています。
    Q
    どんなきっかけでウレアホルムに着目したのでしょう?
    A
    他にもゆっくり効果の出る肥料はあったのですが、それは草花専用で粒の大きさも水田で使用する肥料より圧倒的に大きく、溶けにくさなどが収量に影響が出る可能性がありました。そうした中で、ウレアホルムに注目して実験を行いました。
    審査講評

    こうした問題があることを、プレゼンを通じて知りました。この問題の解決に取り組んだ皆さんの、着眼点の素晴らしさ、実証プロセスのレベルの高さ、さらにそれを地域密着型で実施していることが非常に高く評価できます。この活動が水田や海を守るきっかけになるよう期待しています。

  • 左:山根 正博さん 顧問
    中:若松 彩唯華さん(2年)発表者
    右:目黒 花織さん(1年)発表者

文部科学大臣賞+C.W.ニコル メモリアル賞

普及・啓発部門

宮城県志津川高等学校 自然科学部

故郷の豊かな自然を守ろう! 東日本大震災による工事の影響評価

  • 活動内容
    背景
    本校は東日本大震災で大きな被害を受けた南三陸町にあります。自然科学部では、震災後に形成された八幡川河口の干潟で生態系調査を行うことで、防潮堤工事の影響評価や地域の自然保護、さらに復興を目指す町づくりにも寄与できるよう取り組んでいます。
    取り組み
    生物調査からは、レッドリスト掲載種を含む多様な生物が生息する貴重な環境であることがわかりました。2019年には、導流提工事のため干潟への河川水の供給が絶たれたことから調査を行い、干潟周辺の塩分濃度が上がり、巻貝や甲殻類が多く見つかるようになるなど、環境や生き物に影響が出ていることがわかりました。
    結果
    導流堤工事では、自分たちの調査結果を受けて3本のパイプが設置され、川や干潟の水が出入りして干潟環境を守ることにつながりました。また、フィールドワークには地元の小中学生も一緒に参加するようになり、南三陸の自然の魅力をともに学習するようになりました。貴重な自然環境を守るための情報発信も継続しています。
    質疑応答
    Q
    小中学生向けの出前授業やフィールドワークで工夫していることは何でしょう?
    A
    出前授業では生物の標本などを持っていき、地元にどんな生物がいて、そこはどんな環境になっているかなどを伝えており、フィールドワークでは実際に生息している場所を見てもらっています。
    Q
    調査活動から一歩進めて、地域振興になるような活動もしてみてはどうでしょうか?
    A
    地元の豊かな自然環境を守る活動を広めるため、そうした活動も考えていきたいと思います。より具体的な取り組みについては、これから頑張っていきたいと思います。
    審査講評

    皆さんの活動により、導流堤工事においてパイプが設置され、汽水域の環境が守られたのは非常によかったと思います。世界的に湿地帯の減少が問題になっており、他の湿地帯での問題解決にも貢献できるよう、今後の活動に期待します。

  • 左から
    山内 楓汰さん(1年)
    菅原 慎之介さん(2年)発表者
    渡辺 知冬さん(2年)
    畠山 七海さん(1年)発表者
    阿部 洸大さん(1年)

環境大臣賞

研究・専門部門

青森県立名久井農業高等学校 Treasure Hunters

日本伝統の三和土を使った集水システムの開発と普及

  • 活動内容
    背景
    農業を学ぶ中で、世界には乾燥地帯が広く存在し、乾季には農業用水が十分確保できず、雨季にはスコールによる土壌流出が発生し、深刻な環境問題・食料問題が発生していることを知りました。こうした問題は日本にも通じるものがあると考え、その対策技術の開発に取り組むことにしました。
    取り組み
    問題解決には盛り土が有効で、日本古来の土壌固化技術の三和土(たたき)を活用すれば、耐久性があり、集水にも土壌流出抑制にも効果的と考えました。そこで京都の左官職人さんに土・砂・消石灰の基本的配合を教わり、それをもとに100回以上試作を繰り返し、最適な配合割合を解明しました。
    結果
    水と消石灰の量を調整することで、どの土でも固化できる方法を考案し、最適な形状も見つけました。実験では、従来の盛り土より約6倍の集水量があり、土壌流出量が無対策より約90%抑制できて、堆肥を混ぜることで長期間栄養分を供給できることもわかりました。学会などにも参加して普及にも取り組んでいます。
    質疑応答
    Q
    コストパフォーマンスについて教えてください。
    A
    材料が土と砂と消石灰で、消石灰については草木灰でも代用でき、乾燥牛糞堆肥なども他の家畜の糞で代用できるので、海外でも材料費はほとんどかからないと考えています。また、用水路などを作るよりはるかに簡単にできる点でも、コスト削減になると考えています。
    Q
    この集水システムは、毎年新しいものを設置するのがよいのでしょうか?
    A
    私たちの研究では、養分の溶出がなくなってくると作物の育ちが悪くなるので、確実なのは、取り壊してそれを材料に堆肥を添加してもう一度作るのが最も効果があると考えています。
    審査講評

    農業高校の専門性を生かしたすぐに実用化できる技術であり、海外の乾燥地帯でも効果が期待できる素晴らしい研究だと思います。新型コロナの影響で東南アジアの現地農園で試す計画が中止となったということで、早く実現することを期待しています。

  • 左から
    田村 侑晟さん(3年)
    宮木 琢愛さん(3年)発表者
    中堤 康仁さん(3年)発表者
    松橋 大希さん(3年)

審査員 末吉竹二郎 特別賞

普及・啓発部門

北海道標茶高等学校 地域環境系列環境ゼミガイド班

学ぼう自然、守ろう環境 ~私たちが発信する「自然再生意義」~

  • 活動内容
    背景
    釧路湿原には、「自然再生意義が十分に共有されていない」「大掛かりな取り組みが多い」「参加者の広がりが不十分」などの課題がありました。私たちはこの課題を解決するため、地域社会と連携し、自然再生意義を広めることを目的に、ガイド、植生・水質調査、環境整備の3つを中心に活動を始めました。
    取り組み
    高校敷地内で植生調査、水質調査を実施し、ガイド活動では標茶高校自然満喫ツアーとして定期的な校内ガイドを行い、くしろ湿原ノロッコ号の乗客の皆さんへ出張ガイドも行いました。そのほか、ガイドルートの環境整備や、標茶町の自然環境の素晴らしさをPRする動画を作成しウェブで発信しています。
    結果
    植生調査では120種の植物を同定し、水質調査ではCODの測定により上流ほどきれいなことがわかりました。また、校内ガイドとノロッコ号の出張ガイドでは、実施後のアンケート結果から、多くの方に自然の大切さを学んでいただけたと考えています。ガイド活動は新聞やテレビでも紹介され広く発信されました。
    質疑応答
    Q
    ガイド活動を行ったときの、参加者の様子を教えてください。
    A
    校内ガイドでは、植物の名前を質問されたり、湿原の役割についての説明に納得されたりと、さまざまな方が興味を持ってくださって、自分たちの活動に意義が感じられました。また、出張ガイドでタンチョウの話をすると、参加者の方からタンチョウについて教えていただくこともありました。
    Q
    活動によって、地域の環境を守ることに対し何か変化は始まっていますか?
    A
    ガイド活動では参加者の方にアンケートをお願いしており、皆さんの自然に対する意識が向上された部分が見られることから、少しずつではありますが、一人ひとりの意識の改善につながっているのではないかと思っています。
    審査講評

    地元の自然を大切にすることは、どの地域においても自然環境保護の原点だと思います。それを、高校生の皆さんが、自分たちも勉強しながら他の地域から来た人に地元の良さを伝えており、こうした活動が北海道内に広がることを願っています。

  • 左:秋本 日向さん(3年)発表者
    中:加藤 雄太さん(3年)発表者
    右:福田 凜さん 教員

審査員 吉川美代子 特別賞

研究・専門部門

東京都立富士高等学校 探究未来学理系ゼミ

セミの生態からみる自然豊かな地域環境を目指して

  • 活動内容
    背景
    セミはとても私たちに身近な生き物ですが、実は都市化が生態系に与える影響を知るための指標生物でもあります。そこで私は、地域の環境改善案を考えるため、セミを用いた今までにない新しい環境評価指標を作り出したいと考えて、3年前にこの研究を始めました。
    取り組み
    基礎研究として、まずセミの鳴いている時間(発鳴時間)と気象データの関係を調べました。さらに、セミの生息に重要な要素と考えられる樹木率を測定し、これらの調査結果が強い相関関係を示すことがわかり、新しい環境評価指標である「環境セミ指数」を開発して、都市部の自然環境を考察しました。
    結果
    測定場所ごとに環境セミ指数を算出した結果、自然環境が豊かな場所や都市化が進んでいる場所が見えてきました。それをもとに、測定場所について環境の改善案を検討し、植樹の必要性や具体的に必要な樹木の種類を考察しました。今後はより精度の高い指数を算出できるよう研究を重ねたいと思います。
    質疑応答
    Q
    環境の改善案はリポートを出して提言を行ったのでしょうか。
    A
    まだそこまではいっていません。提言をするにはもう少し環境セミ指数の精度を上げる必要があると考えています。今後は、専門家や研究者の方の意見も聞いて、より信頼できる数値にしてからそうしたいと思います。
    Q
    既存の自然の豊かさを調べる指数と環境セミ指数の関係はどう考えていますか。
    A
    環境セミ指数は、発鳴時間と樹木率から算出したものですが、セミの個体数を測ったり、土壌の豊かさなどを測定したりすることも有効だと思います。そうした要素も含め、これから発展させていく必要があると感じています。
    審査講評

    たった一人で調査・研究をやり抜き、発表も自信を持って堂々としていて説得力がありました。さらに、今回の研究で欠けている部分についてご自身がしっかり自覚し、それを次につなげようとしており、そうした姿勢は研究者として素晴らしいと思います。

  • 発表者
    村上 琴美さん(2年)

審査員 ジョン・ギャスライト 特別賞

研究・専門部門

清風高等学校(大阪府) 生物部

シロアリが日本を救う!?

  • 活動内容
    背景
    日本は林業と水産業に大きな問題を抱えています。林業では、スギやヒノキの人工林で発生する間伐材が利用も廃棄も難しく放置されています。水産業では、養殖魚の餌の原料として用いられる魚粉の価格が高騰しています。そこで、この2つの問題をシロアリを用いて解決しようと思いました。
    取り組み
    私たちは間伐材をシロアリの養殖に有効利用し、養殖したシロアリを高騰している魚粉の代用品に利用しようと考えました。間伐材でのシロアリの飼育では、実験を重ねて飼育法を検証しました。魚粉の代用としては、乾燥させたシロアリの配合割合を変えた餌で、魚体に及ぼす影響を検証しました。
    結果
    シロアリの飼育では、間伐材のカビを抑制し、形状をコースター型にすることで養殖可能であることがわかりました。魚粉の代用としては、シロアリ10%配合飼料が最も魚の成長が良く、配合割合を増やしても成長は伸びないことがわかりました。また、シロアリの脂質を燃料に使えないかも研究したいと思います。
    質疑応答
    Q
    シロアリを配合した飼料の効果は、他の飼料と比較評価されましたか?
    A
    シロアリをまったく配合していない一般的な魚の餌と、シロアリの配合割合を変えた餌で比較し、シロアリを10%配合した飼料がよく成長することがわかりました。
    Q
    今回、外来種のシロアリを使った理由を教えてください。
    A
    在来種のヤマトシロアリは、環境変化に弱く体長も非常に小さいことから断念しました。有名なイエシロアリについては今回ご協力いただいた近畿大学でも実験が難しいとお聞きし、ネバダオオシロアリを推薦していただきました。
    審査講評

    皆さんは、人間に嫌われがちなシロアリの良いところを見つけ出し、その力を生かして間伐材を分解したり、魚の餌にしたりしています。シロアリに社会問題を解決する力があることを示した、素晴らしい研究だと思いました。

  • 左から
    奈須 一颯さん(1年)
    横川 智之さん(1年)発表者
    高橋 英眞さん(1年)発表者
    宮崎 稜也さん(1年)

審査員 五箇公一 特別賞

研究・専門部門

福島県立福島高等学校 スーパーサイエンス部バクテリアセルロース班

バクテリアセルロースを用いたストローの開発と評価

  • 活動内容
    背景
    近年、プラスチックごみによる海洋汚染に伴い、紙ストローの導入が進められていますが、耐水性や使用感が不十分であり、森林破壊につながる可能性もあります。そこで私たちは、酢酸菌が生成する木材を一切用いないバクテリアセルロース(BC)に着目し、環境にやさしいストローの開発を始めました。
    取り組み
    伝統的な酢の製造工程から「酢こんにゃく」というBCが生成されることを知り、東北地方で唯一伝統的な酢の製造を行っている福島県内の酢店からBCを譲り受け、ストローの製作に取り組みました。このBCは通常は廃棄されているもので、ストローに活用できれば新たな付加価値の提案にもなります。
    結果
    私たちは、譲り受けた酢とBCを恒温槽内でさらに発酵させてBC膜を作製し、らせん状に巻いて完全に乾燥させることで、酢こんにゃく由来のBCから初めてストローの作製に成功しました。その後、純水に60分浸す実験やコーラなど他の飲料でも検証を行い、使用想定時間内で使用可能なことを確認しました。
    質疑応答
    Q
    分解性にも優れるということですが、データは取得されていますか?
    A
    現在、生分解性に関する実験を、コンポストを用いて行っています。まだ、結果は出ていないのですが、定量的に生分解性を測る方法でも研究しています。
    Q
    この研究は地元のソリューションとして育ててほしいと思いますが、どうお考えでしょうか?
    A
    伝統的な酢店は限られていますので、地域特有のものを生かした活動として大切だと考えています。今後はストローだけでなく、さまざまな紙製品に替わる製品を作れないかも研究していきたいと思います。
    審査講評

    この研究は、科学的にデータを解析するとともに、実際の使用に耐えるものかどうか仮説を一つ一つ立証し、最終的に形あるストローに仕上げているプロセスが素晴らしい。また、地産地消、地域循環型社会の取り組み事例としても非常に評価できる研究です。

  • 左から
    小椋 蒼士さん(2年)
    伊藤 英聖さん(3年)
    和田 晴人さん(2年)発表者
    吉田 橘平さん(2年)
    佐藤 真里佳さん(2年)発表者

「エコの環」賞

普及・啓発部門

山形県立山形工業高等学校 山工元気プロジェクト

SDGs実践!! マンゴープロジェクト

  • 活動内容
    背景
    山形県の人口は30年間で20万人も減少しており、大きな問題となっています。そこで私たちは、地域創生にものづくりから貢献していきたいと思い、「山工元気プロジェクト」を進めてきました。そして今回、山形の新しい特産品の創作による地域活性化を提案しました。
    取り組み
    私たちが提案するのはマンゴー栽培です。それも、労働人口減少に対応する、IoTを活用した全自動のスマート植物工場による「山形産マンゴー」の栽培を目指しています。また、温室にバイオディーゼル燃料を使用することで、廃油回収のための地域循環型エコシステムも構築できると考えました。
    結果
    地域循環型エコシステムの取り組みでは、近隣の皆さんの協力で廃食油が約200リットル集まり、バイオディーゼル燃料の精製に成功しました。また、地域でひまわりを育ててバイオディーゼル燃料を精製する取り組みも進め、ひまわりの花が50kg収穫できました。工場は2020年5月より製作を開始しています。
    質疑応答
    Q
    このプロジェクトでは、マンゴーはすでに収穫されたのですか?
    A
    マンゴー栽培自体は始まっていますが、実際の実は2021年の夏ごろに収穫できる予定です。
    Q
    雪国の山形で南国のマンゴーを栽培しようと思った理由は何でしょうか?
    A
    一つには、台湾の高校と姉妹校締結をして交流があることから、台湾で有名なマンゴーに着目しました。また、寒い山形で南国のマンゴーを作ることができれば、他の作物にも技術の応用ができるのではないかと考えました。
  • 発表者
    左:設樂 蓮さん(3年)
    右:髙田 然太さん(3年)

「エコの環」賞

普及・啓発部門

京都府立北嵯峨高等学校 生物部

有栖川のカッパ流域ネットワークが育む地域活性と豊かな自然環境

  • 活動内容
    背景
    私たちが目指しているのは、地域の環境に対する科学的な分析と把握、水環境保全、世代を超えた水環境問題に関する意識共有、未来を担う子どもたちの育成、豊かな自然環境を守り育てるネットワークづくりを基盤としたまちづくりです。活動は17年にわたり、毎年80名を超える参加があります。
    取り組み
    有栖川での「カッパの川開き&生き物調査」では、子どもたちに自然を守る大切さを伝える紙芝居、集めたごみの量を競う川掃除合戦、指標生物を中心とした生き物採集などを行いました。また、川の現状を知ってもらうため高等学校総合文化祭などで発表したり、有栖川通信などで情報発信を行っています。
    結果
    これらの活動を行う中で、近年有栖川の下流域でもゲンジボタルの生息環境と同じ水質階級Ⅱのヒラタドロムシやカワニナが安定して生息していることを確認しました。そしてついに2019年、有栖川の下流域でもホタルが確認され、長年の地域の願いが実現しました。今後も活動の輪を広げたいと思います。
    質疑応答
    Q
    ごみの問題は依然深刻ということですが、皆さんは活動をどう評価されていますか?
    A
    水質で見ると、徐々に良くなっていることがわかっていますので、活動をもっと広げて、多くの人にごみ問題の深刻さをわかっていただくことが大切だと思っています。
    Q
    この活動をする中で特に苦労することは何でしょう?
    A
    活動には子どもたちがたくさん参加していますので、いかにわかりやすい言葉で伝えることができるかということに苦心しています。
  • 左から
    前川 和輝さん(1年)発表者
    宮﨑 あろあさん(2年)発表者
    木戸 淑裕さん 顧問

エコワン活動賞

研究・専門部門

神戸市立科学技術高等学校 空飛ぶ車いす研究会

使われなくなった車いすをもう一度

  • 活動内容
    背景
    活動のきっかけは、開校当時に工業高校の特徴を生かしたボランティア活動はないかと模索する中で、栃木県の工業高校が行っている「空飛ぶ車いす」の記事を見たことです。そこで、この事業の中心である日本社会福祉弘済会を紹介していただき、丁寧な指導を受けて活動を開始しました。
    取り組み
    活動は、廃棄される車いすや修理が必要な車いすを病院や介護施設から提供してもらい、工業高校の専門性を生かして修理・整備し、主に海外へ寄贈しています。また、夏季休暇を利用して近隣の特別養護老人ホームなどで出張修理をしているほか、毎年タイでの出張修理を行っています。
    結果
    これまで16年にわって活動を続け、約2700台の車いすを修理し寄贈してきました。タイの出張修理では、自分たちで車いすを運び、現地の方の体に合わせて調整したり、不備のある車いすの修理を行ったりしています。また、修理できない車いすも、使える部品を取り外して再利用して生かしています。
    選出理由

    自分たちの習得技術や専門性を生かす社会貢献活動を身近なところから始め、学 校にある工具を駆使し、常に工夫を怠らず丁寧に車いすを修理しています。しか も、タイへ寄贈する車いすにはノーパンクタイヤを使用するなど現地の使用環境 にも配慮しており、こうした継続的な取り組みが評価されました。

  • 左:松井 秀樹さん(2年 部長)
    中:有吉 直文さん 顧問
    右:山本 樹さん(1年)